SP3000W

SP3000Wは、同軸ケーブルを屋内に引き込む直前の位置、または接地がしやすい場所に取り付けるのが理想的です。接地端子には、2.5φ～3.2φ程度の絶縁電線を圧着またははんだ付けし、その先端を大地に埋設された避雷用アースに確実に接続してください。アース線は、絶縁電線管や碍子を使用し、建物の構造部から絶縁されるように施工すると、より安全性が向上します。アース線はできるだけ短く、直線的に配線することが推奨されます。 屋外に設置する際は、コネクター部分に防水処理を施してください。自己融着テープを引き伸ばしながらしっかりと巻き、その上からビニールテープで固定することで、水の浸入を防ぐことができます。

SP3000Wをご使用になる際には、まず、電力用のアースや他のアース回路と共用することは避けてください。これらと接続してしまうと、サージ対策の効果が得られないばかりか、接続されている機器の故障や感電といった重大な事故を引き起こす恐れがあります。また、アンテナは落雷する可能性がありますので、無線機を使用していないときや外出時には、無線機から同軸ケーブルを外し、屋外に出してアースしておくことを強く推奨します。 SP3000Wは、誘導雷や静電気など、本体の定格内で発生するサージ電流に対しては非常に高い効果を発揮しますが、定格を超える直撃雷などによる大電流には耐えられず、内部が破損する可能性があります。したがって、万一の直撃雷への備えとして、本製品とは別に避雷針の設置が必要です。

SP3000Wは、内蔵されたガス封入式のサージ・アレスター素子(GDT)により、同軸ケーブル内外導体間に定格以上の電圧がかかった際に即座に放電して保護動作を行う設計となっています。この素子は定格電圧で自動的に放電し、定格以下になると復帰する仕組みになっており、繰り返しの使用にも耐えうる高い信頼性を備えています。通常の使用条件下では交換の必要がほとんどなく、万が一寿命や破損があった場合でも、容易に交換できる構造となっているため、メンテナンス性にも優れています。 さらに、同軸管構造と独自の設計技術により、広帯域での高周波特性、低挿入損失、低V.SWRといった優れた性能を確保しつつ、サージ耐性との両立を実現しています。屋外使用にも対応した防雨設計となっており、コネクター接続部を除き、特別な防水処理は不要です。