車載型IP無線機とは?特徴・メリットと導入事例
目次
- 1. 車載型のIP無線機とは?
- 2. 車載型のIP無線機、導入がおすすめの業種と事例
- 2-1. 配送業
- 2-2. バス・タクシー事業
- 2-3. 幼稚園・保育園・各種学校
- 2-4. 車載型IP無線機、おすすめ機種3選
- 2-5. Softbank 601SJ(ソフトバンク)
- 2-6. IP500M(アイコム)
- 2-7. MPT-100(モバイルクリエイト)
- 3. 車載型のIP無線機で業務のサポートを
IP無線機の中には車載型のものもあり、多くの企業で採用されています。このタイプの無線機を導入することで、日々の業務をよりスピーディーに、そして確実に進めていけることでしょう。車載型のIP無線機の特徴や導入メリットと共に、導入事例について解説します。
車載型のIP無線機とは?
車載型のIP無線機について正しく理解するためには、まずIP無線機に関する知識が必須となります。IP無線機とは、無線機の中でも携帯電話網を利用して通信を行うタイプを指します。
日本にはau、SoftBank、docomoといった携帯電話会社があり、それぞれの携帯電話通信網を持っています。IP無線機は、音声データをパケットデータへと変換して、携帯電話通信網を通じて相手の元へと届けられます。
通常の無線機ではなく、IP無線機を導入するメリットは以下のとおりです。
- 相手との距離に関係なく、日本全国どこでも通話が可能(※圏外エリアを除く)
- 免許や登録といった面倒な作業が不要
- 電波が安定していて、通信しやすい
- 相互が同時に話して、コミュニケーションできる
- 混信トラブルが発生しにくい
従来型の無線機は、「手軽に使用できるものの、電波の飛びが弱く、限られたエリア内でしか使用できないもの」、もしくは「利用するまでに手間はかかるものの、電波の飛びが良く、比較的広いエリアで使用できるもの」のうち、いずれかを選択する必要がありました。とはいえ、どちらにもデメリットは存在しています。
両者の良いところ取りをしたのがIP無線機で、手軽に扱えるだけではなく、広域での安定通信を可能としています。車載型のIP無線機の場合、このような特徴を持つ無線機を、車に取り付けて使用するタイプとなります。
車を利用するメリットは、自分が好きな場所へ、いつでも手軽にアクセスできるということです。広域で通信が可能なIP無線機との相性は非常に良く、車載型無線機には、IP無線機が非常に多く採用されています。
車載型のIP無線機、導入がおすすめの業種と事例
車載型のIP無線機の導入をおすすめしたいのは、以下のような業種です。活用事例と共に紹介するので、導入を迷ったときの参考にしてみてください。
配送業
トラックを使って、さまざまなものを全国各地へとお届けする配送業。トラックやドライバーをどのように配置するのかが、業務効率改善の鍵となります。できるだけ効率良く各担当を動かすためには、本部からの指令が欠かせません。ここで活躍してくれるのが、車載型のIP無線機です。
車載型のIP無線機の中には、GPS位置管理システムを備えたものも多くあります。このシステムを使えば、どのドライバーと車がどこにいるのか、リアルタイムで情報をチェックすることができます。
たとえば急な配送依頼が来たときでも、
- 依頼先にもっとも近いドライバーに、瞬時に指令を出す
- 各ドライバーの現在の位置から今後の流れを予測し、依頼先に予定時刻を伝える
といった、細やかな対応も可能となるでしょう。
またIP無線機を使えば、ドライバー同士のコミュニケーションも可能となります。負担が大きい場合や、何らかのトラブルが発生したときでも、ドライバー同士のコミュニケーションの上で、お互いにフォローできます。
バス・タクシー事業
車を使った事業といえば、バス事業やタクシー事業などが挙げられます。これらの業務効率を高めるためにも、車載型のIP無線機が必須となります。
GPS位置管理システムで、それぞれの位置情報を瞬時に把握できるのはもちろんのこと、お客様からの問い合わせがあったときには、現在の状況をチェックしながら、正確な情報を伝えられます。タクシーの配車依頼があったときでも、即対応が可能で、顧客を逃すこともありません。
またバス事業の場合、特に導入をおすすめしたいのは、長距離バス事業です。ドライバーにとっても負担の大きい業務だからこそ、周囲のサポートは必須となります。車載型のIP無線機とGPS位置管理システムがあれば、現場の情報をすぐに本部と共有できますし、本部からドライバーに対して、安全運転について指導することも可能です。
こちらは、広域使用が可能なIP無線機だからこそ生まれるメリットだと言えます。これまでの無線機のように、「通信したいときにできない……」なんてトラブルも、発生しづらくなるでしょう。
幼稚園・保育園・各種学校
一見すると、車や無線機とは関係のなさそうな施設ではありますが、スクールバスを運行している園や学校の場合、車載型のIP無線機を使用するメリットは、非常に大きくなります。子どもたちの送り迎えの状況をリアルタイムで把握できるだけではなく、子どもの様子を、いち早く園や学校へと伝えることも可能となります。
スクールバスにドライバー以外のスタッフが乗車している場合、そのスタッフを通じて電話連絡をすることもできます。しかし乗車しているスタッフがドライバー1名のみの場合、こうした対応は難しくなってしまうでしょう。こんなときでも、IP無線機が業務をサポートしてくれます。
近年では、各種習い事や学童においても、子どもの送迎を実施する施設が増えてきています。このような業種においても、車載型のIP無線機の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
車載型IP無線機、おすすめ機種3選
車載型IP無線機選びで悩んだときには、以下の情報を参考にしてみてください。人気の機種を3つ紹介します。
Softbank 601SJ(ソフトバンク)
ソフトバンクの車載型IP無線機で、ソフトバンクが提供する3G/4G/4G LTE回線を使用できます。GPS位置管理システムも、オプションで使用可能です。運用状況に合わせて、スピーカータイプのマイクも使用可能で、安全走行に役立つでしょう。
30秒ごとまたは100m移動するごとに、車の位置情報を取得し、その結果は専用WEBサイトにて閲覧・管理が可能となります。専用WEBサイトへのアクセス人数制限はないので、多人数で情報を共有する形での使用も可能です。
IP500M(アイコム)
auの4G/LTE回線が利用できる場所で使用可能なIP無線機です。加入プランによって、ナビタイムクラウドGPS位置管理を使用可能です。
こちらの無線機の特徴は、同時に通話できる人数が無制限であるという点です。多人数でのやりとりも手軽に行うことができますが、同時通話の連続通信は5分までと設定されており、これを超えると1秒間通話できないペナルティタイムが発生します。
アイコムからは多種多様なIP無線機が発売されており、IP500Mは携帯型のIP無線機IP500H、IP501H、IP502Hともやりとりすることができます。
MPT-100(モバイルクリエイト)
MPT-100は、ボイスパケットトランシーバーの車載型無線機です。契約プランによって、モバロケ(GPS位置管理)を利用できます。NTTドコモFOMAの通信エリアを使用しており、エリア内であれば、どこでも通信可能です。
個別通信やグループ通信、一斉通信といった基本的なスタイルはもちろん、割り込み通話や指令局通話にも対応しており、使い勝手の良い無線機です。一定時間内に操作がない場合はオートパワーオフ機能で安心ですし、トンネル内でも安定して通信することができます。同時に6台までのパソコン・携帯電話から、位置情報をチェックできます。
車載型のIP無線機で業務のサポートを
車に設置して使う車載型のIP無線機は、業務内容によっては非常に重宝するアイテムです。上手に活用することでスタッフ同士の連携が取りやすくなりますし、顧客対応もしやすくなるでしょう。情報のやりとりで時間をロスすることがないので、効率も良くなるはずです。
同じ車載型のIP無線機でも、選ぶ機種によってできることは細かく異なります。業務内容から使用方法を確認し、それを実現してくれる無線機を選んでみてください。購入前には、気になる機種をまずはレンタルで使用してみるのもおすすめです。
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