IP無線機を使う上でのメリット・デメリット
目次
- 1. IP無線機のメリット
- 1-1. 使用できる通信エリアが広い
- 1-2. 免許不要で誰でも使える
- 1-3. 従来の無線機よりも混信に強い
- 2. IP無線機のデメリットも頭に入れておく
- 2-1. 毎月のコストは事前にしっかり確認
- 2-2. 回線混雑によるトラブル
- 3. 両者の比較からわかるIP無線機の有用性
- まとめ
携帯電話とは違い、ボタン一つで相手とコミュニケーションをとれる無線機は、さまざまな場面で活用されています。同じ無線機さえ持っていれば、いつでも瞬時に情報を共有できますから、業務の効率アップを目指し、会社全体で採用を進める企業も少なくありません。とはいえ、こんな無線機にもさまざまな種類があります。
その中でも近年注目を集めているのが携帯電話回線の通信エリアを利用した、IP無線機です。
今回はIP無線機が持つ機能や、一般的な無線機との違いとメリットについてご説明いたします。
また、導入を検討する上で頭に入れておくべきデメリットの情報についても詳しくご説明していきます。
IP無線機のメリット
まずはIP無線機のメリットについてです。
まずIP無線機の特徴について頭に入れておきましょう。
IP無線機では、音声による情報をパケット化し、携帯電話網のデータ通信機能を使って相手のもとへと届けます。これまでは電波を使って相手のもとへと届けていた情報を、「携帯電話網を使って届ける」という点がIP無線機の最大の特徴となります。
よってIP無線機を使用するメリットも、主にこの特徴によるものが殆どです。
- ・携帯電話が使える通信エリア内なら、全国どこでも使用可能
- ・無線利用に関する免許は不要
- ・混信しないので安心してやり取りできる
一つずつ詳しくチェックしてみましょう。
【使用できる通信エリアが広い】
これまで主に活用されていた無線機は、免許不要で使えるものです。
使用できる電波に限りがあり、基本的には「一定エリア内にいる相手とのやり取り」に使われるケースがほとんどでした。しかしIP無線機の場合は、携帯電話の通信網を使って情報をやり取りします。このため、「携帯電話が使える通信エリア内であれば、全国どこでもやり取りが可能」という点が非常に大きなメリットとなります。
これまでは「現場作業スタッフの連携」にしか使えなかった無線機を、IP無線機へと変換することで「遠く離れた本社や担当者とのやり取り」にも使えるようになる、というわけですね。
業種や用途が制限されないこともあり、あらゆる業種で積極的に採用が進んでいます。
【免許不要で誰でも使える】
これまでの無線機では、「電波法を順守して運用すること」が求められていました。
無線機の購入やレンタルを手掛ける会社の中には、残念ながら「悪徳業者」もあり、何も知らないまま違法無線機を使用してしまうトラブルも少なくありませんでした。
この場合でも、罰則の対象となるのは「無線機の使用者」のみ。
このため、無線機を使用する場合には、「電波法を守った作りになっているのか」「違法無線機ではないかどうか」を、自分の目でしっかりと確認することが求められていたのです。
とはいえ無線機を使ったことがない方にとって、これは決して簡単なことではありません。
まず電波法の内容について頭に入れ、厳しい目線で商品チェックをしなければなりませんでした。
一方でIP無線機であれば、免許の有無は関係ありません。
そもそもの仕組みとして、「携帯電話の通信網を使用して情報を飛ばしている」ためです。
スマホや携帯電話の使用を「免許の有無」で制限されることがないように、IP無線機も誰でも安心して使用できるようになっています。
【従来の無線機よりも混信に強い】
従来型の無線機を使用している方にとって、混信は悩ましい問題の一つでした。
情報を伝えたい相手以外の無線機につながってしまったり、自分には関係のない情報が飛び込んできたりと、トラブルが発生するケースも少なくありませんでした。
実際に「業務効率アップのために無線機を導入したけれど、混信トラブルが多くあまり使えない」なんてケースも存在しています。
IP無線機は、この「混信」という面でもメリットがあります。
携帯電話網を使用して、パケット化された音声情報は、IPアドレスをもとに送受信されています。IPアドレスを活用することで、「間違った場所に情報が届く」というトラブルはまずあり得ません。
どんな場面でも活用できる無線機としても、IP無線機は非常に注目されています。
IP無線機のデメリットも頭に入れておく
IP無線機のメリットを知ると、「よし、我が社でも積極的に導入を検討してみよう!」と思う方も多いかもしれません。しかしメリットだけを頭に入れて決断するのは、トラブルのもと。IP無線機ならではのデメリットについても、きちんと頭に入れておきましょう。
さまざまな分野で注目されているIP無線機にも、残念ながらデメリットは存在しています。
- ・月額利用料が発生する
- ・回線が混雑し、使いにくくなる場合がある
それぞれのデメリットについても、詳しく解説していきます。
【毎月のコストは事前にしっかり確認】
IP無線機導入時に、もっとも大きなデメリットとなるのが「コスト」についてです。
携帯電話の通信網を使ってやり取りするIP無線機には、携帯電話と同じような料金体系が適用されています。
多くのケースでは、通信にかかる費用は「毎月定額」で請求されます。
どれだけ使っても料金は一定と決められていれば、毎月のデータやりとり量を気にし過ぎる必要はありません。
ただし料金体系については、IP無線機によっても異なりますから、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
IP無線機をレンタルで使用する場合には、レンタル料も含めた金額で、納得できるコスト範囲かどうかをチェックするようにしましょう。
【回線混雑によるトラブル】
携帯電話のトラブルとしてありがちなのが、「同じ場所にいる多人数が一斉に情報をやり取りしようとすると、回線がパンクしてしまう」というものです。花火大会やお祭り、そして災害時など、実際に「携帯を使ったけれど全然つながらない」という経験がある方も多いことでしょう。非常に便利な携帯電話通信網ですが、一度にやり取りできる情報量には限界がある、というわけですね。
同じ携帯電話網を使用するIP無線機の場合も、このような影響を受けてしまいます。
「いつでも安定してやり取りしたい」と思う方にとっては、こちらもデメリットとなるでしょう。
とはいえ、IP無線機で使用するのは「データ通信機能」となります。
携帯電話で言うと、「音声通話やり取り」ではなく「メールのやり取り」で使う通信機能となっています。
回線混雑時には、確かに影響を受ける可能性もありますが、音声通話のそれと比較すると影響は少ないと言えるでしょう。
両者の比較からわかるIP無線機の有用性
メリット・デメリットが出揃ったところで、あらためてIP無線機について検討してみると、有用性が高いことがお分かりいただけるでしょう。
デメリットもありますが、それを上回るメリットも多いですから、毎日の業務の中で便利に活用できるはずです。
またIP無線機は、これからの時代の主流となっていくと考えられる無線機です。
さまざまな業者が、最新機種を次々と投入してきています。サービス拡充がすすみ、さまざまな機能が盛り込まれている点も、IP無線機導入のメリットと言えるでしょう。
「これからさまざまな場面で活用していける無線機を探している」という場合には、従来の無線機よりもIP無線機の導入を検討するのがオススメです。
まとめ
IP無線機導入のメリット、デメリットについて、わかりやすく解説してきました。
どのような製品にも、メリットがあればデメリットもあります。
だからこそ重要なのは、「自分たちが希望とする使い方ができるのかどうか」という点を、しっかりと見極めるということです。
もちろん、初めての無線機導入ではわからないことや想像できないポイントも数多く存在するでしょう。このような場合には、「より幅広い業種・場面に対応できる無線機」として、IP無線機を選択するのもオススメの方法です。
IP無線機導入によるデメリットを最小限に抑えられるよう、事前の比較検討はしっかりと行いましょう。
無線機導入で成功するために、欠かせないポイントとなります。
IP無線機のレンタルを検討している方はこちら
無線機・トランシーバーのレンタルを
ご検討中の方へ
ご用途・ご予算などから最適なプランを提案いたします!
365日深夜までお問い合わせいただけます
※アマチュア無線のお取り扱いはございません
0120-880-200