IP無線機のシチュエーション別の使用用途
IP無線機は、携帯電話の通信エリアを活用することでより幅広いシチュエーションでの活用、無免許での無線運用、さらには初期導入費用の削減効果など、さまざまなメリットを生み出した無線機です。通常の無線機ではなく、これらのメリットを考慮して、IP無線機を積極的に導入する企業・団体も増えてきています。
とはいえ、「IP無線機」という言葉は、まだまだ耳慣れないもの。「具体的にどのようなシチュエーション・用途で活用できるのか」「通常の無線機とはどこがどう違ってくるのか」「自分たちは本当に、その機能を使いこなせるのか」など、導入に際して、具体的な不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、IP無線機を活用できる具体的なシチュエーションをお伝えすると共に、従来の無線機との違いやIP無線機ならではのメリットについて、詳しく紹介していきます。導入前に、ぜひ参考にしてみてください。
長距離バスや長距離トラック
長距離バスや長距離トラックは、世の中の人や物の流れを生み出す大切な仕事です。経済を動かす要と言っても過言ではありません。多くの人が、この仕事に携わっています。
こうしたバスやトラックのドライバーたちは、事務所や営業所から遠く離れたところまで、人や荷物を運んでいきます。営業所とドライバーや添乗スタッフが、どのように連絡を取り合うかが一つの課題とされてきました。
こんなときに活躍してくれるのが、先ほど紹介したIP無線機です。従来の無線機は、サービスエリア外へと出てしまうと、通信が不可能になっていました。IP無線機の場合は、携帯電話通信エリアを使うことで、携帯の電波が届くところであれば、全国どこでも通信が可能となっています。長距離バスや長距離トラックで日本全国どこへ行こうとも、携帯電話通信エリア内であれば素早く連絡がとれるというわけですね。
近年では、トンネル内で問題なく使える携帯電話も増えていますが、IP無線機にも同様のことが言えます。連絡漏れが起きるリスクを小さくできることでしょう。
長距離バスや長距離トラックの世界において、具体的には、以下のような連絡事項の伝達に活用されています。
- ・工事や事故による交通規制の連絡
- ・急な予定変更を伝えるための連絡
- ・天候異変が起きた場合、ドライバーがどう行動するべきか、指示を仰ぐための連絡
- ・複数台数での移動の際の、ドライバー同士の連携連絡
いつでも好きなときに、広いエリアの相手とコミュニケーションがとれることで、業務の遂行を安全に、そして速やかに行うことができるでしょう。
これまでの無線と同様に、グループ通話や一斉通話などの機能を備えている無線機もあり、長距離トラックや長距離バスの運行においても、広く活躍してくれます。
コンサートやマラソン大会
コンサートやマラソン大会をスムーズに運営していくためには、各スタッフが密に連携をとれる環境にあることが重要なポイントとなります。
これらのイベントは、大きな会場を押さえ、そこで開催されるもの。一つのイベントを仕切るために、多くの人が広範囲でそれぞれの役割を果たすことになります。
万が一、どこか一つの場所でトラブルが発生した場合、その状況を各所へと伝えることが急務となります。この作業に遅延が生じると、人の流れをコントロールすることができず、さらなるトラブルを招いてしまう可能性もあります。
たとえばコンサート会場において、開場直前に何かトラブルが生じた場合、それを迅速に「入場口スタッフ」へと伝える必要があるでしょう。もしこの情報がうまく伝達されなければ、トラブルが生じているにも関わらず、多くのお客さまが一気に会場へと入場してしまうことになります。トラブルの種類によっては、最悪の事態につながってしまう可能性もあるのです。
ここで重要なのは、
- ・広範囲でもつながる通信手段を確保しておく
- ・混戦に強く、伝えたい相手に確実に情報を伝えられる環境を整えておく
- ・必要な日数、必要な台数を確保できる
これらのポイントとなります。安心して使える通信アイテムを用意し、運営スタッフ全体が連携できる体制を整えておきましょう。
このような場面で活躍してくれるのがIP無線機です。IP無線機が、従来の無線機よりもより広範囲における連絡手段として優れているという点は、すでにお伝えしたとおりです。
これに加えて、IP無線機には「混戦に強い」という特徴も備わっています。携帯電話通信網を使って、音声情報をパケット化して、相手のIPアドレスに向けて直接届けるのが、IP無線機ならではのメリットでもあります。
「せっかく無線機を持っているのに、届けたい相手にきちんと情報を伝えられない!」なんてトラブルも、未然に防ぐことができるでしょう。
特にコンサートやマラソン大会では、多くの運営スタッフが近隣エリアで活動すると予想されます。混戦に強く、さらに必要な期間だけレンタルで対応することもできるIP無線機は、メリットの大きい通信手段と言えます。
- ・スタッフ同士の連携
- ・トラブル情報の共有
- ・指揮官から、現場スタッフへの指示
- ・観客や参加者の誘導や安全管理
コンサート会場やマラソン大会においては、主にこれらの情報をやりとりするために、IP無線機が活用されています。
多くの人が集まる場所だからこそ、速やかに、そして確実に情報共有ができることは重要なポイント。IP無線機なら、こうした問題を容易に解決してくれるでしょう。
事故や火災などの緊急時に
事故や火災などのトラブルは、いつどこで遭遇するかわからないという問題もあります。IP無線機を所持していれば、いつでもどこからでも連絡がとりやすくなりますから、非常時の緊急連絡手段としてあらかじめ備えておくのもオススメの方法です。
このようなトラブルに遭遇した際に、「どこにどう連絡をすれば良いのか」とパニックになってしまう方は多いもの。こんなとき、すぐに周囲と連絡がとれるIP無線は、強い味方となってくれることでしょう。中にはハンズフリーで通話ができるものもあり、このような製品であれば、いつでも迅速に状況を伝えることが可能となります。
必要な措置をとったり、周囲からのサポートを受けたりして、事故や火災による被害を最小限に抑えることができるでしょう。
とはいえ、大規模な事故や火災の場合には、周囲の多くの人が携帯電話を使おうとして、通信エリア内の回線が混雑することも考えられます。携帯電話回線を使っているために、起こり得るデメリットの一つでもあります。
近年は、こうしたデメリットを解消するための専用プランが用意されているケースもあります。火災や事故などの場合に、確実に使える通信手段を確保したいと思うときには、このようなプランもチェックしてみると良いでしょう。
まとめ
このほかにも、IP無線の活用用途は非常に幅が広いです。
- ・幼稚園バスやスクールバスのドライバーとの通信手段として
- ・タクシー同士の連携に
- ・出張が多い会社員との連絡手段として
その特徴とメリット・デメリットを知った上で、あらゆる活用方法を検討してみてください。これまでよりも、スマートに、そして快適に業務を遂行できる可能性も高まるでしょう。
IP無線は、携帯電話の通信網を活用するため、利用する際に「月額利用料金」がかかります。初期費用とは別に、毎月のランニングコストがかかることは、事前に頭に入れておきましょう。
毎月のランニングコストはIP無線のデメリットの一つだと言われていますが、IP無線を導入することで、これまでに支給していた携帯電話を解約することができれば、費用負担の軽減につながる可能性もあります。
使い勝手とその用途をよく考慮した上で、導入を検討してみてください。「どのようなアイテムをどのようなスタイルで導入すれば、メリットがもっとも大きくなるのか、よくわからない」という場合には、専門店へとお問合せください。
IP無線機にもさまざまな種類があり、それぞれで異なる性質を持っています。もっとも良い形で導入できる機種やプランを提案いたします。
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